一般外来受付時間/午前8:30~11:30 休診日 /土曜・日曜・祝日(急患対応あり) |
薬剤科
薬剤部長 藤村 保夫
舞鶴共済病院薬剤科の基本方針は、「薬の専門家として医薬品の適正使用に努める」ことにあります。当院の臨床業務の歴史は、TDMに始まり病棟医薬品管理、外来服薬指導と段階的に進めて行き、薬剤管理指導業務へと発展させ、現在は病棟薬剤業務実施加算も算定しています。言わば薬剤師が病棟に常駐し薬の管理を行うことが当院ではあたり前の姿になっています。したがって病棟スタッフの一員として医師・看護師との距離が非常に近いことが特徴であろうと自負しています。しかしながら病棟という医療の現場にいますと、我々を取り巻く環境が、非常に早く変化し、ぼやぼやしていると置いてきぼりにされそうだと常に感じます。決して楽な仕事ではありませんが、目の前の患者さんに「何ができるか」を問いかけ、 また「患者さんから学び、教わる」姿勢を常に持ち、医療の質の向上を目指す薬剤師業務を展開したいと考えています。
がん化学療法については専従薬剤師を配置し院内で行われる化学療法すべてにおいて薬剤師がかかわる体制を整え処方介入やレジメン作成に尽力しています。また、感染制御専門薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師が在籍し院内の感染症の治療において抗菌剤の適正使用に大きくかかわり抗菌薬選択のアドバイスや適正使用について医師から信頼される存在でもあります。特に抗MRSA薬に関してはすべての症例でTDMにより投与設計を行っています。そのほか、緩和ケアチーム、栄養サポートチームや院内感染対策チームにおいても中心的立場でかかわっており、チーム医療を実践しています。また、各科のカンファレンスには受け持ち薬剤師も参加し、医師の処方意図の理解、看護師との情報共有が図れていると考えています。このように医療の多くの場面で薬剤師が活躍できる環境の薬剤科です。 資格・学術面では京都府北部で唯一の日本医療薬学会認定『がん専門薬剤師 研修施設』であることを生かし、がん薬物療法に関わる業務の基礎知識・考え方および技術を修得し、がん医療に精通した『がん専門薬剤師』を目指せます。また、『薬の専門家』と呼ばれるにふさわしい、実力のある薬剤師の称号である『日本医療薬学会認定薬剤師』の取得も目指せます。そのほか抗菌化学療法認定薬剤師、緩和薬物療法認定薬剤師、栄養サポート専門療法士など、希望により専門領域の認定取得をバックアップします。入局後1年毎に薬剤師レベルを評価し個々のレベルに合わせたステップアップをスタッフ全員で共有して取り組んでいます。現在12名の薬剤師が在籍しています。人数的にはまだ十分ではありませんが、少数精鋭で活気あふれた薬剤科であり続けたいと考えています。
未来ある若き薬剤師たちよ、疾患が理解でき、医師の処方意図がみえ、患者の状態が「薬」によって日々変化する「生の臨床」に直接かかわる仕事がここにあります。この環境の中で、薬剤師としての自分に何ができるか試してみませんか。そして自分の知識や努力が治療に生かされた時の喜び・やりがい、逆にそれでも死を迎えてしまった悲しみを感じてほしいと思います。その積み重ねがあってはじめて「薬の専門家である薬剤師」に成長するのではと考えます。
日本医療薬学会認定 『がん専門薬剤師研修施設』
日本医療薬学会認定 『医療薬学専門薬剤師研修認定施設』
日本医療薬学会認定 『薬物療法専門薬剤師研修認定施設』
薬剤師 | 12名 |
調剤助手 | 1名 |
出身大学 | |
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大阪薬科大学 | 2名 |
京都薬科大学 | 2名 |
神戸学院大学 | 2名 |
岡山大学 | 1名 |
近畿大学 | 1名 |
摂南大学 | 1名 |
広島国際大学 | 1名 |
北陸大学 | 1名 |
武庫川女子大学 | 1名 |
認定資格 | |
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医療薬学指導薬剤師(日本医療薬学会) | 3名 |
医療薬学専門薬剤師(日本医療薬学会) | 3名 |
日病薬病院薬学認定薬剤師(日本病院薬剤師会) | 9名 |
認定実務実習指導薬剤師(日本薬剤師研修センター) | 3名 |
感染制御専門薬剤師(日本病院薬剤師会) | 1名 |
抗菌化学療法認定薬剤師(日本化学療法学会) | 1名 |
NST専門療法士(日本臨床栄養代謝学会) | 1名 |
医療情報技師(日本医療情報学会) | 1名 |
糖尿病薬物療法履修薬剤師(日本くすりと糖尿病学会) | 1名 |
アレルギー疾患療養指導士(日本アレルギー疾患療養指導士認定機構z) | 1名 |
専任業務の担当者を除いた全員が毎日病棟に行きます
調剤や注射のミキシングなどは1日のうち数時間交代で担当します
お薬の用法・用量、飲み合わせなどのチェック、患者さんの状態を考慮した調剤方法の工夫などを行っています
医療安全対策としてバーコードでのピッキングシステム、分包錠の画像監査システムを導入しています
外来院外処方箋 |
53,215枚 |
外来院内処方箋 | 1,482枚 |
入院調剤(内服・外用) | 31,668枚 |
入院調剤(注射) | 48,242枚 |
2022年度実績 |
食事が接種できない患者さんなどでは、食事代わりの注射薬について配合変化、投与量などをチェックし、専用の無菌室で混合しています
また、市販されていないお薬については、院内で薬剤師が作製しています
中心静脈栄養混合 | 511件 |
院内製剤(クラスⅡ以上) | 34件 |
2022年度実績 |
抗がん剤治療が安全に実施できるよう薬剤師が専従し、レジメン監査、副作用や効果の確認、吐き気止めなどの支持療法の提案、患者さんへの説明などを行っています
ミキシングは専従以外の薬剤師が、専用の安全キャビネット内で監査システムを用いて行います
抗がん剤混入(入・外) | 1,989件 |
2022年度実績 | |
入院患者さんの薬物療法が安全かつ効果的に行えるよう、ICU/CCUを含む全ての病棟に担当薬剤師を配置していますので、お薬に関することは何でもお伝えください
各病棟には薬剤師専用のデスクと電子カルテ端末があり、薬剤管理指導、持参薬鑑別、DI活動、カンファレンスへの参加などの業務を通じて、処方に関する医師への提案も数多く行っています
担当者:3年未満の経験者は指導薬剤師との複数体制 |
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医師への処方提案 | 3,203件 |
薬剤管理指導 | 3,208人 |
薬剤管理指導 | 7,440回 |
麻薬指導 | 147回 |
退院時指導 | 860回 |
2022年度実績 |
お薬は適切な量が血液中に存在することで、効果と安全性が担保されます
入院患者さんでは、測定値をもとに薬剤量を調節する際には薬剤師が必ず関与しています
主な抗菌薬の濃度測定は院内で実施しており、学会認定の薬剤師と協議しながら迅速に投与量の調節を行っています
抗菌薬 |
227件 |
その他 |
57件 |
2022年度実績 |
医薬品情報室には専従の薬剤師を配置し、日々新しい薬剤情報の収集に取り組んでおり、得られた情報は院内医薬品情報として電子カルテや院内掲示板を活用し、スタッフへ発信しています
また、病棟担当者との症例カンファレンスを行い、薬の適正使用と薬剤師教育にも努めています
患者さん個々に応じた治療が実施されるよう、医師や看護師、その他のスタッフと共にラウンドを含む活動を行っており、薬剤師は主に効果や副作用などをモニタリングし薬に関する提案を担っています
薬剤師は合計31の委員会(チーム含む)に所属しており、施設において様々な場面で活動しています
薬剤師が参加しているラウンド(チーム) 抗菌薬適正使用支援、院内感染対策、緩和ケア、栄養サポート、褥瘡、呼吸器、医療安全、心不全、慢性腎臓病など |
1年目は調剤基本業務の修得を行いながら、2か月目には病棟の雰囲気に慣れるための病棟ローテーションを開始します。下半期からは配属先の病棟が決まりますが、業務が不安なく行える環境を整えるため先輩薬剤師との2名体制となります。
1年目の下半期からは、調剤の基本業務の習得度を考慮しながら平日夜間の当直業務を行います。3年目には病院内の委員会への所属、4年目以降は新人のサポートを行うなど、段階的に進めていきます。
自己研鑽では、医療薬学会と日本病院薬剤師会などに所属してもらいますが、年会費は病院が負担します。院内の研修会などを経て4年目以降には学会発表、6年目以降には専門資格の取得を目指します。
10:00 集合 (時間は随時相談) | |||
午前の部 | |||
○外来化学療法センター | |||
・化学療法(抗がん剤治療)の監査、安全キャビネットでの混注 | |||
○無菌調剤室 | |||
・TPN調剤、クリーンペンチでの混注 | |||
○調剤室 | |||
・調剤(錠剤、軟膏剤、水剤、散剤)、処方監査、注射監査、服薬監査 | |||
○製剤質 | |||
・院内製剤作成 | |||
12:00 〜 13:00 昼食・休憩(職員食堂での昼食提供します) | |||
午後の部 | |||
○病棟業務 | |||
・薬剤管理指導、入院患者との面接、電子カルテへのSOAP記録 |
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○チーム医療 | |||
・NST(栄養サポートチーム)、ICT(感染対策チーム)、褥瘡対策 | |||
○院内見学 | |||
15:00 〜 懇親会 | |||
インターンシップ参加者と情報共有、先輩薬剤師と懇談・質問 | |||
16:00 解散(時間は随時相談) | |||
参加日、時期によって研修内容は異なる場合があります | |||
研修内容に希望があれば随時相談受けます |
◆薬剤科内研修会(業務時間内に実施しています)
論文抄読会
学会参加毎の報告研修会
製薬会社による薬剤説明会
◆院内研修会(web参加も可能です)
医師による院内研修会
医療安全や感染対策などの委員会主催の研修会
(薬剤師が講師を担う研修会も多くあります)
◆学会参加状況(参加費の負担制度があります)
令和3年度:のべ20名
令和4年度:のべ22名
薬剤師は様々な行事に参加しリフレッシュしています。楽しく働くことで患者さんへも笑顔で接することができます
◆病院全体行事
大忘年会・職員旅行・ボーリング大会・レガッタ大会・ソフトバレーボール大会など
◆薬剤師が病院の仲間と楽しんでいること
ソフトテニス・ボルダリング・京都サンガ応援ツアー・登山(初心者)・バーベキュー・子育て交流など