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病院長あいさつ
病院長を拝命し、2年経過いたしました。当地域の医療に関連する今後の方向性、ならびに、当院の近況報告も念頭におきまして、ご挨拶とさせていただきたいと思います。
能登半島地震の災害から1年半経過し、当地域におきます自然災害に対する対策も新たな局面を迎えております。本年度から中丹東保健所が中心となり、医師会・病院群・中丹地域の各市・消防・警察等の諸団体が一同に参集し、保健医療福祉調整地域本部訓練が開始されます。万が一、当地域に激甚災害が発生した場合、機関間の密接な連携がないとさらなる被害が懸念されます。各機関の効率的な運営が要となり、保健所が陣頭指揮をとる体制の確立が重要であります。本年6月に連絡会議が開催され、10月には実際の訓練(外部から専門家チームとの連携を目的としております)が予定されております。一医療機関として、今後の行政主導の災害対策の骨子を理解していただくために、6月3日に中丹東保健所長を当院にお招きし、講演会を開催いたしました。病院職員一人ひとりへの災害対策に関する知識の深化を進める所存でございます。
舞鶴市の地域医療体制の再編や統合を念頭におきました医療機能最適化検討会議も2年目に至りました。市民の方々のご意見を真摯に受け止め、当会議の委員として、良質で安心な医療体制の維持に微力ながら引き続き尽力する所存であります。病院運営の最大の課題は医師・看護師を中心とした、医療従事者の確保にあります。市内公的病院の上記従事者数が個々の病院の見地からみても充足しているとは言い難く、より早期の再編や統合への道筋の決定が不可欠と考えております。当院の広報誌からも、読者の皆様にどのような方向性になろうとしているのか、一病院の立場も鑑みまして継続的にお伝えする所存でございます。
当院の新たなる進展もご紹介させていただきます。診療科に関しましては、整形外科、麻酔科に各1名の常勤医が赴任いたしました。ご存じのように当地域は高齢化が進んでおります。骨折をはじめとした整形外科疾患にさらなる対応を進めてまいります。また、外来患者さんには直接関係が薄いかもしれませんが、手術手技の支援に麻酔科の拡充は当院の発展のひとつと言えます。設備に関しましては循環器疾患に対応し、血管撮影装置2台をリニューアルいたしました。病棟に関しても、地域包括医療病棟を昨年10月から運用開始しました。地域包括医療病棟とは、軽症・中等症の高齢者の救急搬送・入院の受け入れ先となる病棟です。
現在の医療体制の課題として、急性期病棟に入院した高齢者の一部の方は、急性期の治療を受けている間に離床が進まず、日常生活動作が低下し、在宅復帰が遅くなるケースを数多く経験します。病気の治癒の先にある、入退院支援、 在宅復帰を包括的に行います。地域包括医療病棟は舞鶴市内で当院のみが導入いたしました。急性期病棟との効果的な連携を実践し、高齢者医療に不可欠な全人的な医療を推進する所存でございます。
医療事情が刻刻と変化する中で、関係者の皆様方におかれましては、今後も引き続きご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
令和7年7月1日
舞鶴共済病院
病院長 沖原 宏治